私が就職活動全体を通じてもっとも効果的だったと感じるのは、動き出した時期が周りの人に比べて早かったことです。3年次の5月頃、夏のインターンシップへ申し込むために履歴書を書いたのが最初で、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための自粛期間が始まる前に内定をもらえました。周りの友達は9月頃から動き始める人が多かったのですが、この4ヶ月間の違いが大きな差を生むことになったと思います。ここまで早く動いたのは、特に誰かに言われたわけではなく、私自身、就職活動の中でも特に面接が得意ではないと思っていたからです。早く動いて場数を踏んで、他の人に差をつけておいたほうが良いのでは、という焦りのような感情からでした。何度も面接をこなし、友達と本番を意識した面接の練習を重ねることで、ハキハキと自分の思いを話せるようになりました。企業の面接官の方にも褒めていただけましたし、自分自身の成長も感じることができました。

もうひとつ効果的だったと思うことは、多くの企業のインターンシップに参加したことです。合わせて10社以上のインターンシップに参加したのですが、実際に企業の内部を見ることができるので、社風や職場の雰囲気、社員の方の人柄など、ネットなどの媒体には絶対に載っていない企業の素顔にふれることができました。同じ業界を志望する他大学の学生とも知り合えてさまざまな情報交換もできましたし、習うより慣れよという言葉を、身を持って経験できました。またインターンシップに参加したことは、その企業の面接においても大きなアピールポイントになりますし、中にはお世話になった人事の方が面接官だったこともあり、その時は緊張することなく面接に臨むことができました。周りの友達にはインターンシップに参加しない人もいたのですが、どちらかと言えば積極的に参加した人のほうが、より志望する企業から内定をもらえていると思います。

私は高校生の頃から将来は金融関係の仕事をしたいと思っていたので、それに必要なことを学ぶために商学部を志望しました。就職活動では金融関係、特に証券会社を中心に動きました。入社を決めた企業は、私が一番最初にインターンシップに参加したところで、他の企業に比べて社員を大切にするという姿勢を強く感じることができました。インターンシップの開催日も多く、良い人材を獲得するためにかける時間や労力が格段に違っていました。企業理念にも「社員」という言葉が掲げられているなど、働きやすい環境、自分が成長できる環境が一番整っていると思えたので、入社することを決めました。入社して3年程度は、営業職で働くことになります。私自身、人と接することが大好きですし、何より就職活動の当初から営業職志望でしたので、希望はすべて叶えられたと思います。いつかトップ営業マンと呼ばれるよう、努力していきます。

新型コロナウイルスの影響によって、今年の就職活動は従来とは非常に大きな違いがあったと思います。一番強く違いを感じたのは、スケジュールの全体的な遅れです。先輩方の就活を見ていて概ね6月から 7月頃には進路が決定しているイメージだったのですが、今年は2ヶ月ほどスケジュールが後ろ倒しになった印象でした。そのため思い描いていた4年目の大学生活とは随分違ったものになってしまいました。また説明会や面接もWebを通じて行われる機会が圧倒的に増えました。極端な例かもしれませんが、私が内定をいただいた企業では、説明会から最終面接、内定式まですべてWeb上で行われたため、今の段階でまだ一度も本社に行ったことがないんです。また大学で友人と顔を合わせることもなくなってしまったので、周囲との情報交換も容易ではなくなってしまいました。イレギュラーなことが本当に多く、不安や焦りを感じる学生も多かったのではないかと思います。

そんな状況でしたから、私が一番工夫していたことは、就職活動へのモチベーションを維持することでした。面接で思うように話せなかったときや、選考に漏れてしまったときなど、本来であれば友達と不安な気持ちを共有して励まし合うこともできたのでしょうが、電話などではお互いに状況が聞きづらいし話しづらくもあり、結局は自分ひとりで気持ちを整理するしかありませんでした。また1日中家に籠もり、パソコンの前で会社探し、説明会、面接などを繰り返していると、さすがに気持ちも落ち込んでしまうと気づいたので、適度にリフレッシュするようにしていました。就職活動と関係のない話を両親としたり、家の周囲を散歩したり、就職活動は平日の日中に行い土日はリフレッシュにあてるなど、メリハリをつけることでなんとかモチベーションを維持していました。

私がモノづくり系の企業を志望するようになったキッカケのひとつは、1年生の時、とある先生が授業中にお話されていた内容でした。それは、日本にはB to B※1の素晴らしい企業がたくさんあるのに、なぜ学生たちはB to C※2の企業にばかり行きたがるのか?ということでした。調べてみると、企業名こそ聞いたことがないものの、特定の分野において世界トップシェアを誇っているモノづくり企業がたくさんあるということがわかりました。それで、せっかく働くのであれば、自社の商品に誇りが持てるような企業で働きたいと思うようになったのです。内定をいただいた企業は、私が憧れていた「日本を支えるモノづくり企業」ですし、なによりも私の思い描く社会人生活を実現でき、また私の個性を活かすことができる職場であると強く思える点に魅力を感じました。今後は自己管理に努めつつ、家族や友人、同僚など周囲の人を支えられる度量を持った大人になれるよう、努力していきたいと思います。

※1 企業が企業に対して商品・サービスなどを提供する取引のこと  
※2 企業が消費者に対して商品・サービスなどを提供する取引のこと

Copyright© Nihon University College of Commerce. All Rights Reserved