つい昨年度まで、商学部で学んでいた就職1年目の先輩、山本紗也さん。現在は世田谷区役所の清掃・リサイクル部で、区民の生活を影で支えています。働くとはどういうこと?どんな苦労がある?生活スタイルや心境など学生時代とどこが違う?みなさんが就職について考える時に思い浮かべる疑問に、就職1年目のリアルな声で答えてくれました。

山本 紗也さん 
商業学科 2021年3月卒/所属ゼミ:鬼頭ゼミナール
勤務先:世田谷区 清掃・リサイクル部管理課(梅丘分庁舎2階)/入職:2021年4月/役職:主事

[ 世田谷区 清掃・リサイクル部の仕事 ]

管理課、事業課、世田谷・玉川・砧の3つの清掃事務所で構成され、資源・ごみの収集や清掃・リサイクルに関する計画の策定、指導を通して世田谷区のごみの減量化やリサイクルを推進しています。このうち管理課は、主に100億円以上の予算の執行管理、約380名の職員の人事管理、有料ごみ処理券の管理、清掃・リサイクル審議会の調整などを担当しています。

https://www.city.setagaya.lg.jp/soshiki/1052/1053/index.html

多くの先輩たちに
サポートしてもらい、
チームで働いている
ことを実感。

世田谷区で粗大ごみを出す際に必要となる、有料ごみ処理券に関する業務を担当しています。ごみ処理券を取扱う店舗からの処理券の発注を受けたり、印刷や配送、支払い業務など、区民のみなさんが粗大ごみを処分するための手続きの一端を担っています。管理課には10名ほどが所属しており、非常にアットホームな雰囲気に包まれています。私が仕事で行き詰まっていると、「大丈夫?」と先輩から声をかけてくれますし、ミスをしたときの注意にもどこか愛情が感じられます。多くの方にサポートいただいて、自分がひとりではなくチームで働いていることを実感しますね。

企画に参加した
キャンペーンの成功が、
自分の大きな自信に。

コンビニやスーパーなどでごみ処理券を購入している方を見たり、街中の集積所に粗大ごみが出されているのを見ると、自分の仕事が区民のみなさんの役に立っていると感じ、嬉しくなります。私の課は区民の方と接する機会がなかなかないので、こうして間接的にでも、誰かの役に立てていると実感できる機会はとても貴重です。また清掃・リサイクル部で「年末年始ごみ100トン減チャレンジ」という、ごみの減量を区民に訴えるキャンペーンを実施し、私はそのホームページの制作を担当しました。ホームページの評価も上々でしたし、なにより前年度比で1日あたり100トンの減量目標を達成することができて、私自身も大きな達成感を得ることができました。

世田谷区への就職が決まったのは、4年次の2月頃、卒業間近のことでした。公務員を志望していたため、筆記試験の対策はかなり入念にやっていたのですが、面接の練習や対策などは満足にできていませんでした。そのため、本番の面接では随分と苦労をしてしまいました。就活の早い段階から、必要な対策をリストアップして臨むべきでしたね。

苦い体験も
自分を成長させるための
大切な糧になる。

今は目の前の仕事をこなすのに精一杯です。自分なりに頑張っているつもりでも、実際は周りの先輩方に助けていただいていることが多いので、1日も早く追いつけるようになりたいと思っています。一度、区民の方からごみ処理券の払い戻しについて問い合わせの電話を受けたのですが、私がまだ理解していないことを矢継ぎ早に聞かれ、慌てて資料を調べて対応したことがありました。その時は落ち込みましたが、「そういう体験を繰り返すからこそ成長につながるのだ」と先輩に教えていただき、もっと努力しなければと思いましたね。

限られた自分の時間を
有効に、かつ
有意義に使うこと。

働き始めると、自分のやりたいことは限られた時間の中でこなさなければならないのだと実感しました。学生時代は好きな時限に授業を組み、遊びやバイトなど楽しいことはいつでも好きなだけできていたのですが、今はそのような余裕は殆どありません。自分の時間を有効に使うこと、そのためにしっかりと自分のスケジュールを管理することが大切なのだと知りました。

毎日の仕事にしっかりと向き合う、
責任感の芽生え。

自分の仕事に責任感をもって臨むことができるようになってきたと思います。ごみ収集は、区民の方の生活にとって食事をするのと同じように必要不可欠なものです。今の担当業務では、直接的に起こることはないですが、私がミスをすることでごみ収集が滞るようなことがあった場合、その影響は相当大きなものとなりますし、区民の方からの信頼を大きく損なうことにも繋がります。そのため、それくらいの責任感をもって今担当している業務のひとつひとつに毎日しっかりと向き合わなければと強く思います。これは学生時代には全く意識してこなかったことですし、何となくこなしていたアルバイトとは比べ物にならないほど、社会人となって携わる仕事の重みとして実感しています。

さまざまなことを吸収し、
同僚からも区民からも
信頼される職員に。

今後必ず部署の異動がありますが、どの部署へ行ったとしても周りの方から信頼される職員になりたいです。電話応対など、まだまだ苦手なことも多いですし、仕事の量も質も上司や先輩方に比べたら至らない部分がたくさんあると思うので、積極的に仕事をこなして必要なことをどんどん吸収していきたいです。そして区民の方々からも信頼されるような職員になり、世田谷区の発展にも微力ながら貢献していきたいと考えています。

就活に悩んでいた時も、働き始めてからのランチ休憩でも、私は時間があると公園をよく散歩するようにしています。職場のすぐ近くにも大きな区立公園があり、子供たちが遊んでいる姿を見たり、野球をやっている人たちを見たりしながら歩いているだけで、自然とリラックスできているような気がしています。嫌なことがあったとしても、公園を散歩するだけで気が紛れるので、私にとっては大切な時間です。

学生時代の
自由な時間を有意義に、
最後までぜんぶ
使い切ってほしい。

私は瀬戸内海に浮かぶ小さな島で18歳まで暮らしました。両親は世田谷区に就職することを大変喜んでくれましたが、一抹の寂しさはあるようです。帰省し、両親に元気な姿を見せられればと思いますが、気軽に行き来できる距離ではありません。しかし、年間20日与えられた有給休暇を使えば、両親に合うことができます。このように休みを有効活用できるのも地方公務員の良さの一つだと思っています。また、学生時代にさまざまなものに触れて視野を広げ、選択肢を多く持つことは、進路を考える上でも仕事をする上でも、とても大事になってくると思います。受けた授業や読んだ本、インターネットの情報など、興味を持ったらどんどん掘り下げていくと、新しい視野や考え方が自分のものになるのではないでしょうか。それから、これは私だけでなく就職した人全員が思っていることだと思うのですが、人生のなかで学生時代ほど自由な時間が持てる時はありません。その自由な時間をできる限り、有意義に使ってほしいと思います。私も学生時代に、同じようなことを先輩に言われていたのですが、結局満足に使い切ることができなかったと悔いが残っています。ですからこれを読んでいるみなさんには、自分の時間をぜひ満喫してほしいですね。

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