教えてくれる人
商業学科 准教授
相澤 朋子 先生
Profile
1999年武蔵大学博士課程満期退学。修士(経済学)。
2016年4月より本学部に着任。
主に地域金融や中小企業金融について研究している。
テレビCMや電車広告などで、「資産形成」という言葉を見かける機会が多くなってきました。「大学生になってアルバイトも始めたし、ちょっと興味もあるけれど、何から手をつけたらよいか、どんなメリットがあるか分からない…」そんなことを思っている人も多いかもしれません。今回は、学生のうちから資産形成を学ぶ意義、実際に取り組む前に知っておきたいポイント、そして金融商品の種類に至るまで、日本大学商学部の教員監修のもと、わかりやすく解説していきます。
1999年武蔵大学博士課程満期退学。修士(経済学)。
2016年4月より本学部に着任。
主に地域金融や中小企業金融について研究している。
投資の対象の3種類について、補足します。
まず「自分」とは、言うまでもなくあなた自身のこと。
自分の将来の収入や可能性を増やすために、スキルを身につけたり、大学で勉強したり……
といったことも投資の一つです。これは「人的資本の形成」と言い換えることもできます。
「実物資産」とは、不動産(土地や家)や金(ゴールド)などの「形をもつ資産」のこと。これらを持つと安心感が得やすく、生活満足度の向上につながりやすくなります。
そして「金融資産」とは、預金や投資信託などの「形をもたない資産」のこと。労働を伴わず、利息や配当などを通じて収益(リターン)を得られるため、
「お金に働いてもらう投資」と呼ばれることもある、将来の資産や収益を増やすことを目的とした投資です。
近年、資産形成に注目が集まる理由のひとつが、インフレーション(物価上昇)の発生です。これまで日本は長くデフレーション(物価下落)で、「今日500円で買えるものは、1年後には少し安くなる」という現象を積み重ねてきました。
しかしインフレーション傾向が強くなってきた現在では、「500円で買えるものが数カ月後には同じ価格で買えない」ことも多くなってきました。物価が上がって相対的にお金の価値が下がったことから、価値を安定的に保てる金(ゴールド)などの実物資産を活用したり、優れた企業が売る商品やサービスの価格が上がることによる企業利益の恩恵を受けるために投資信託を買ったりする、資産形成に注目が集まるようになったのです。
資産形成に取り組むことは、自分の「時間」と「お金」の使い方を見直すよいきっかけになります。
今の消費を少し我慢して、住宅などの実物資産を持って安心感や満足感を得たいのか、
はたまた金融資産を増やし将来の収益をアップさせて、未来も幸せに暮らしたいのか――
自分が「今、明日、1年後、10年後、どのように暮らしたいか」を考えて、
今、何に投資するか/しないかを選んでください。
資産形成を通して長期的な自分の幸せを形成するのです。
資産形成の目的はお金を増やすことではなく、生涯にわたる自分の幸せを実現すること。仲の良い人とおいしいものを食べたり、旅行に行ったりして消費をして「今」を楽しむこと、それは「今」しかできない貴重な体験です。若いときだからこそできる楽しい時間を過ごすことも、10年後に幸せな時間を過ごすことも、両方とも、とても大事なことです。
お金をあまり持っていない学生の時から、すべての学生が資産形成に取り組むべきだとは思いません。学生のうちに資産形成の知識を得ておき、社会人になってから速やかにスタートする、という段取りもおすすめです。
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金融資産は、安全性(リスク)や流動性(現金化のしやすさ)を意識しつつ選んでみてください。たとえば「普通預金」のように元本1,000万円までと利息が保護されていて、かつ気軽にATMから現金として引き出すことができるような金融資産は、損をしにくく、いつでも現金にすることができるという意味で、安全性も流動性も高いと言えます。
一方で、「株式」「債券」といった金融資産は、リターンは大きいものの元本は保証されず、現金化も気軽にはできないため、安全性・流動性ともに今ひとつです。特に初心者の方は、この2つのポイントを押さえておくことをおすすめします。
まずは金融庁の「免許・許可・登録を受けた事業者」のページ(https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html)で
信頼性を確認し、その上で品揃えや手数料を比較、購入することが大切です。
卵を買いたいとき「安いスーパー」を選ぶ人もいれば「平飼い卵を置いているスーパー」を選ぶ人もいますよね。
金融商品においても、自分の目的に合った商品を扱う証券会社や銀行を選びましょう。
金融商品に投資すると、収益がプラスになることもあれば、マイナスになってしまうこともあります。
このプラス~マイナスの振り幅が広ければ広いほど、「リスクが高い(安全性が低い)」商品ということになります。
社会情勢、為替相場の変動など、さまざまな要因でリスクの高さは変わっていくので、金融商品を選択するときは必ずチェックしておきましょう。
投資信託に取り組むにあたっては、「低コスト」「分散投資」「長期積立」を意識することが基本です。
小さな金額で複数の商品を長く運用し続けることで、リスクを下げつつ安定した資産形成が可能となるからです。
金(ゴールド)、株式、社債など、性質の異なる資産をさまざまにチェックしつつ、15年以上の長期スパンを見据え、
毎日・毎月無理なく積み立てられるよう検討することをおすすめします。
金融トラブルに遭ってしまったら、金融庁や財務局、消費生活センター、全国銀行協会相談室、警察などの公的機関に
速やかに相談しましょう。消費者自身の安心はもちろんのこと、経済の公平性を保つためにも、とても重要な行動です。
日本大学商学部では、金融入門から、金融論・保険論・コーポレート・ファイナンス・証券市場論・国際金融論・損害保険論・生命保険論まで、幅広く学修できる科目が揃っています。在学中に自分のペースで体系的に金融リテラシーを身につけることで、資産形成をスムーズに始める準備ができます。