海外留学体験記

留学などの国際交流は、語学の修得はもちろんのこと、自分の可能性を大きく広げることのできる絶好の機会です。今号では、日本大学商学部の交換留学先であるフランスのオデンシア・ビジネススクールへ留学した日本大学商学部の学生に留学の魅力や成果を伺うとともに、今期(令和6年4月から7月)オデンシアから商学部へ学びに来ている留学生もご紹介します。

交換留学とは?

日本大学では、大学間協定に基づき、海外の大学との交換留学を実施しています。交換留学生は、語学を学びに行くわけではなく、正規課程(通常の授業)を現地の言語で履修することが前提となりますので、高い語学力が求められます。交換留学では、派遣先大学の授業料が免除されます(その他は全て自己負担)。

オデンシア・ビジネス
スクールとは

フランス西部のナント市に設立された、伝統あるビジネススクールです。国際的な教育品質認証機関であるEQUIS、AACSB、AMBAの認定校ですが、この3つの認定を取得しているのは世界のビジネススクールの中でもわずかに1%。その教育と学生のレベルは高い評価を得ています。国際交流にも熱心で、提携校は260校以上。英語で行われる授業も充実しており、各国の留学生と共に商業・経営・会計の専門科目を英語で学ぶことができます。

La France

オデンシア・ビジネススクール
留学体験記

留学期間:2023年8月~12月
日本大学大学院商学研究科
博士前期課程経営学専攻2024年修了

佐藤 藍里さん

Profile

学部学生の頃から取り組んでいた環境経営やサステナビリティに関する研究を深め、コロナ禍で中止になったオデンシア・ビジネススクールへの留学も実現したいと大学院商学研究科へ進学。

# 留学しようと思った理由

学部生時代、ゼミナールで一緒に研究した留学生たちとの交流がきっかけで興味を持ちました。環境先進国のフランスで、現地政府や企業のプラスチック問題解決への具体的な取り組みを学び、今後日本が実施するべき施策を考察したいと思ったことが直接の理由です。

# オデンシア・
ビジネススクールでの学び

留学ならではの経験で
人間としても成長

オデンシア・ビジネススクールでは、労働環境から見た欧州ビジネスの特徴やプロジェクトマネジメントの手法など、日本大学商学部や大学院の授業とは異なる科目を積極的に履修し、学びました。特に印象に残っているのは、授業課題がすべてグループワークだった点です。母語や文化的背景が異なる学生たちとディスカッションを重ねて進める作業は、困難ながらも刺激的で、寛容性やコミュニケーション能力を養う上でも貴重な経験となりました。

日本での学びを基盤に
新たな知見を積み重ねる

特に環境経営に関する授業は、欧州企業の環境問題への取り組みを多数学べた点で、とても興味深いものでした。現地ならではの事情や多様な事例により新たな発想が得られたとともに、企業活動や経営をヨーロッパの視点で分析する力や思考力が鍛えられたと感じます。商学部や商学研究科で身につけた基礎的な知識と研究で得た知見は、ヨーロッパでの考え方や応用的な学修を積み重ねるための、確固たる土台として力を発揮したと実感しています。

# 留学の成果と今後の目標

# 留学の成果と
今後の目標

国際的な視点と
語学力の向上を実感

留学を通して、グローバルな視点を得られたことはとても大きな成果です。また、フランスで実施されているプラスチックゴミ削減への取り組みを、私自身も日常生活で体験できたことは、研究面でもヒントになりました。他の学生たちとは授業中の議論はもちろん、些細な雑談もすべて英語で会話していたため、英語力も飛躍的にアップ。現地で急なアクシデントに見舞われた時も英語で臨機応変に対応できたことで、自身の成長を感じました。

留学経験を活かし
グローバルに活躍したい

現在は、ITやコンサルティングサービスを提供する会社に就職し、ソリューションエンジニアとして働いています。いずれは社員のマネジメント業務を担当する予定ですが、本社はインドにあり、多種多様な国の同僚やクライアントとのコミュニケーションが求められることが想定されます。英語の資料も多く、留学で養われた英語力は大変役立っています。将来は海外勤務も視野に入れ、グローバルな舞台で活躍していきたいと思っています。

Memories

フランスでの思い出

留学中は自炊をして、ブッフ・ブルギニョン(ブルゴーニュ地方の煮込み料理)やポトフなどの煮込み料理をよく作りました。美味しいクロワッサンを求めて、パン屋さんに通ったことも良い思い出です。休日はパリ市内の美術館や歴史ある教会を巡ったり、時間があるときはヨーロッパ各地へと足をのばしたりしました。

留学生のカベンバさんと
交代します!

オデンシア・ビジネススクール
からの留学生を紹介

オリビエ カベンバさん
留学期間:2024年4月~7月
オデンシア・ビジネススクール
グランゼコール修士課程1年

オリビエ カベンバさん

Profile

フランス生まれ。コンゴ民主共和国出身の両親を持ち、18歳までコンゴ民主共和国で過ごした後、進学のため再びフランスへ。現在はオデンシア・ビジネススクールの修士課程でファイナンスを中心に学んでいる。日本大学商学部へは、オデンシア・ビジネススクールからの交換留学生として派遣されている。

#コンゴ民主共和国とは

アフリカで2番目に大きな国で首都はキンシャサ。公用語はフランス語。約9,900万人が暮らし、200以上の部族を有する同国には、多様な文化が根付いています。世界遺産のヴィルンガ国立公園には、マウンテンゴリラなどの希少な野生動物も生息しています。

La République démocratique du Congo

# オデンシア・
ビジネススクールでの学び

母国発展に貢献するために
専門分野の学びを深めたい

コンゴ民主共和国で育ち、以前から、コンゴ民主共和国の経済・財政運営などに貢献できる仕事に就きたいと考えていました。そのため、進学に際してはこれらの分野の教育で世界的にも評価が高い、フランスで学ぶことを選択しました。特にオデンシア・ビジネススクールは、ファイナンスに関する教育でトップレベルとして名高い高等教育機関です。豊富な実務経験を兼ね備えた先生方から将来に生きる知識や経験を得られると思い、同スクールへの進学を志しました。

ファイナンスに関する
幅広い分野を学修

ファイナンス分析や市場に興味があり、オデンシア・ビジネススクールでは計量ファイナンスや財務分析などの授業を履修しています。例えば、為替レートが変動した際にどのように利潤を得るかなどは、とても興味深い研究テーマです。銀行や保険会社での勤務経験を持つ先生が多数在籍しているので、実践的な学びができる点も魅力。グループで課題に取り組む中で、考えをすり合わせる機会も多く、協働作業の重要性を実感しています。

# オデンシア・ビジネススクールから
日大商学部への留学

アジア経済に興味があり
日本留学を希望

オデンシア・ビジネススクールでは主に欧米の経済を研究していますが、アジア経済にも関心を持っていました。アジアの金融市場の中心地である東京は、アジア経済を学ぶ留学先として魅力的で、日本大学商学部との交換留学制度は、日本で学べる絶好のチャンスでした。以前から豊かな歴史や独自性のある食文化、多彩なアニメ作品がある日本文化に惹かれていたことも、日本を希望した理由です。特に、忍者を主人公にしたマンガ作品が大好きです。

発展的な都市と
誠実な国民性に感嘆

初めての日本は驚きと喜びの連続でした。建造物や街並みは写真で見たことがあるものの、実際に見る皇居は壮大で、渋谷の街はとてもにぎやかでした。そして、日本人の礼儀の正しさ、忍耐強さ、丁寧で誠実な国民性に感銘を受けました。母国やフランスの国民性との違いはとても興味深く、日本への理解が一層深まったと思います。留学中はアジア経済の研究だけではなく、日本人の考え方や気質についても学びたいと考えています。

日本大学商学部での学びを
夢の実現に生かしたい

商学部は授業の質が高く、知見を広げるには最適な環境です。これまで欧米視点で学んでいた分野に関して、日本やアジアの視点が加わることでの思考の深まりを感じています。修士課程2年になったらオデンシア・ビジネススクールと提携するアメリカの大学で、ファイナンスと政治学の学位を取得するのが目標です。同スクールと商学部、アメリカの大学院で学ぶ専門知識を生かし、将来は母国の発展に寄与するため、政治の道に進みたいと考えています。

Questions

カベンバさんへ3つの質問
商学部のキャンパスで好きな場所は?

広々とした体育館です。バレーボールの授業は、リフレッシュできるだけでなく、日本の学生たちと交流する良い機会にもなっています。

フランスやコンゴ民主共和国と
日本の学生の違いはありますか?

母国やフランスの学生たちは感情表現が豊かであるのに対し、日本の学生は話すのが苦手そうに見えますが、慣れてくると、それは単に内気さだとわかります。

留学や国際交流に興味を持つ
商学部生へメッセージはありますか?

新たな文化や言語に触れることは、世界の見方を大きく変える貴重な経験です。躊躇わずに、ぜひチャレンジしてみてください!

留学や
国際交流をしてみよう!

日本大学本部の留学プログラムに加え、商学部は独自の留学プログラムとして、半年~1年程度アメリカやフランスへ留学する長期プログラムや、春休み期間を利用した短期の語学研修プログラムを整えています。また毎年、世界各国から多くの留学生が学びに来ているので、キャンパス内での交流も積極的に挑戦してみてください!

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