留学体験者座談会
「人生の選択肢が広がる経験」

大学生になったら一度は留学を経験してみたい、そう考える人もきっと多いことでしょう。でも実際にはどんな暮らしが待ち受けているのか、どんな苦労に直面するのか、わからないことが多いのもまた実情です。そこで今回は、フランス、アメリカ、オーストラリア、経験した留学先も留学期間も違う3人に集まってもらい座談会を開催。留学することの魅力や醍醐味、経験談、苦労話をたっぷりと語ってもらいました。

  • 会計学科4年

    金子 拓斗

    留学先

  • 経営学科4年

    井上 紗貴

    留学先

  • 経営学科3年

    外山 彌佑

    留学先

慣れ親しんだ国を離れて異国の地で暮らしながら学ぶということは、大きな不安がつきまとうものだと思います。
それでもあえて留学をするという選択をされた背景には、どのような思いや決意があったのでしょうか。

外山さん:もともと英会話を上達させたいという想いが強かったのですが、それは英語が話せるだけで世界中の人達と自由にコミュニケーションがとれるということに魅力を感じていたからです。でも日本にいると、ネイティブの人と話す機会は限られていますし、現地で使われている英語に触れることもないので、英会話を上達させるために、また将来仕事で海外に行ったとしても不自由しないように、思い切って留学することにしました。

金子さん:環境を力に変えたかった、というのが一番の理由です。これまでも、自分がいる環境を変えることで成長できることが多かったので、より大変な環境に身を置いてみたいと思っていました。同じゼミの先輩がオデンシア・ビジネススクールへ留学した経験があり、その人からオデンシアで相当に苦労したという話を聞いていました。各国から留学生の代表者のような優秀な学生が集まり、グループディスカッションやプレゼンテーションを英語で頻繁に行うというもので、自分が求めている環境がオデンシアにはあるのかもしれないと思いました。自分自身でがんばろうと思ってもやはり限界があると思うのですが、周りに圧倒されたり、自分が限界までがんばらなければいけない環境にいれば、結果的に自分が伸びるということを信じて挑戦してみることにしました。

井上さん:高校時代に短期でイギリスに留学した経験があるのですが、いつかは長期で留学してみたいなと思っていたのが大きなきっかけのひとつです。それから私は教育系の企業でインターンをしているのですが、そこで子どもたちがさまざまなことに挑戦して成長している過程を目の当たりにして、自分も何か新しいことに挑戦したいと思っていたことも大きな理由ですね。

留学を経験した人たちに話を聞くと、ほとんど全員が苦労した、大変だったという場面に遭遇しているようです。
語学はもちろん、生活習慣や文化の違いなどさまざまな要因があると思うのですが、そのような経験はありましたか。

外山さん:オーストラリアでは「1日に4つの季節がある」と言われるほど1日の寒暖差が激しくて、慣れるまでは大変でした。時期的に暑いという話を聞いていたので半袖しか持っていかなかったので、夜、気温が下がるとかなり寒かったですね。それから私はホームステイ先がインド系のご家庭で、食文化の違いをとても強く感じました。食べ慣れないインディカ米を、スープのようなカレーと一緒に食べることが多かったのですが、日によっては口に合わないこともあって少し辛く感じることもありました。

井上さん:中国からの留学生と同じ授業を受けていたのですが、彼らは英語を喋ることはできるのですが、文法的にはかなり正確さに欠けるものでした。それでもきちんと自分の意思を伝えることができていて関心しました。日本人は正しい英語を喋ろうとしてしまって、どうしてもナーバスになってしまうことが多いです。ですから私はとにかく喋る機会を増やそうと思い、食事に行ったお店の人とコミュニケーションをとったり、またお風呂でずっと発音の練習をするなど自分なりに工夫をしていました。

金子さん:オデンシアではグループディスカッションの機会がとても多く、英語が話せなければ何もできない環境でした。語学学校ではなくビジネススクールなので、まず英語が話せることが大前提だったんです。授業の初日に、クラスの中で自分が圧倒的に英語ができないということを痛感しました。そこで周りの人にどうしたら英語が喋れるようになるのかを聞いて回りました。そこで教えてもらったことは、英語の映画を英語の字幕でみることと、本を読んで学んだことを間違ってもいいから日常会話で話すこと。それを実践していくうちに、自分の英語力が徐々に上がったと感じました。

井上さん:ネイティブの人に英語の勉強法を聞くよりも、留学生に聞いたほうが効果的な策を教えてくれるような気がしますね。コツコツ勉強していると、ある時、一気に自分の英語力が伸びたことを実感する瞬間がやってきます。

金子さん:私はあと、友達と連絡先をたくさん交換して、頻繁に食事に誘いました。とにかく話す機会を多く設けたことで、英語で話すことが楽しく感じられるようになりました。

このインタビューを読んでいる人の中には、留学をしてみたい、留学に興味があるという人も多くいると思います。
そんな人たちに、経験者としてのアドバイスや、留学の醍醐味を教えてあげてください。

井上さん:私たちは日本に住んでいるわけですけど、世界に出ると私たち日本人の考え方は、たくさんある考え方のひとつに過ぎないということに気付かされます。世界にはいろんな人がいて、いろんな考えを持って生きているということが学べて広い視野を持つことができます。それが留学の醍醐味だと思います。さまざまな価値観に触れることは、確実に自分の成長につながると思います。

金子さん:私が留学で学んだことは、これが普通だとか、みんながやっているから自分もこうするべきだとか、そういった既成概念にとらわれずに自分の好きなことをどんどん追求していくべきだということでした。例えば大手企業に入れば安泰だとか、親が安心するから大手企業に行くとか、自分ではなく人の判断基準で自分の人生を決める必要はないということ。人生は一度きりなので、好きなことを見つけてチャレンジしていくと、自分の人生を楽しめるのではないかと思います。

外山さん:オーストラリアへは1ヶ月しか滞在していませんでしたが、それでも日本では経験できないことがたくさんありましたし、学ぶことも多かったと思います。例えば日本ではボランティアをする人はそこまで多くない印象ですが、海外へ行くとボランティアをする人はとても多いんです。最初はあまり興味がなかったのですが、誘われてボランティアをやってみると、あっという間に交友関係が広がりました。これは今までにない経験でしたし、留学したからこそ得られたものでした。短い期間でも、今後の人生の選択肢が広がっていくと思うので、留学はぜひおすすめしたいです。

「若い時の苦労は買ってでもしろ」とはよく言われますが、学生時代に留学を経験することは、その最たる例なのかもしれません。インタビューに答えてくれた3人も、それぞれの留学先で苦労する場面はとても多かったと語ってくれました。それでも、3人は口々に「留学を人にもすすめたい」と言います。留学先で得た経験や知識や新しい視点は、数々の苦労も霞んでしまうほどの価値があったのだと容易に想像することができます。学生の特権と言っても過言ではない留学という名の苦労、検討してみる価値はあるはずです。

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