金子 英司さん

株式会社レントラックス 取締役会長
商業学科1997年卒

今やアジアの数カ国にグループ企業を展開する
株式会社レントラックスの取締役会長、金子英司さん。
海外を飛び回る大変お忙しい毎日を送られる最中、
お仕事のことや学生時代の思い出などについてお伺いしました。

BUISNESS 世界で活躍するインターネット企業をめざしてBUISNESS 世界で活躍するインターネット企業をめざして

私は現在、インターネットの成果報酬型広告などを手がける株式会社レントラックスの取締役会長として活動しています。成果報酬型広告はアフィリエイトとも呼ばれ、ウェブサイトの閲覧者がウェブサイトに掲載された広告主の商品やサービスなどを購入したら、生じた利益に応じて広告を掲載したウェブサイトが成功報酬を得られるという広告手法です。2005年、32歳のときに会社を立ち上げて以来「適切な情報を提供し、便利さを提供する」という理念のもと、微力ながらお客様にとって有益な情報をご提供し続けることができたと自負しています。また「周りの皆様に生かされている」という感謝の心を常に忘れないよう肝に命じながら毎日の業務に取り組んでいます。現在では海外の子会社も含め従業員はグループ全体で約100人、毎年新卒の社員を10~20名採用するまでになりました。
順風満帆に業績を伸ばしているように見えますが、実は過去に経営危機と呼べる状態に陥ったことがあります。まさにリーマンショックの折、当時弊社はアフィリエイト事業が軌道に乗っていたこともあり、さまざまな新規ビジネスを展開していた矢先でした。新規ビジネスのひとつが為替取引だったのですが、大きな外資系企業に提供した資金が諸事情により回収できないという事態が起こってしまいました。当社にとってはとても大きな額であったためダメージが大きく、社員が何人も辞め事業も縮小、まさに倒産の危機という状態でした。さまざまな事業に手を出してきたことを反省し、そこからは再びアフィリエイト事業に集中特化、得意分野を磨くことでなんとか業績を回復させることができました。
また東日本大震災後、広告を自粛するという世の中の風潮によって、売上が大きく減少したこともありました。そんな経験から災害の多い日本国内だけのビジネス展開ではリスクが大きいと判断し、海外への展開をはじめました。思えば会社がピンチに陥るたびに、必ずといっていいほど重要で本質的な気づきを得ることができました。それによってこの会社の舵を、より良い方向へ切ることができたのだと思います。
幾多の困難を乗り越えて、2015年に東証マザーズへ上場できたときはこの上ない喜びと達成感を感じました。会社を立ち上げた当初は3年で上場したいという野望を持っていましたが、実際には10年。ようやく、本当にようやくひとつの大きな目標を達成できました。上場した日の夜に、仲間たちと飲んだお酒の味は、おそらく一生忘れることはないでしょう。 今後も歩みを止めることなく、いつか世界標準で活躍する日本初のインターネット企業として認知されるよう、努力を続けていきたいと思っています。

MEMORY 仲間にかこまれ、スキーに明け暮れた学生時代MEMORY 仲間にかこまれ、スキーに明け暮れた学生時代

学生時代を振り返ると、本当にスキーのことしか頭にないような生活を送っていたと思います。体育会系のスキー部に所属していまして、特に冬場は3ヶ月くらいスキー場にこもって練習していました。当時は校舎の地下に部室があり、そこで仲間たちと常にワイワイやっていました。いちおう授業にも真面目に取り組んでいまして、興味のあった経営学や経営理論については今でも内容を覚えています。自分で会社を経営するようになり、はじめて「あのとき先生が言っていたのはこういうことだったんだ」と気づくこともありました。

HABIT 読書の習慣は、学生時代に手に入れた大きな財産HABIT 読書の習慣は、学生時代に手に入れた大きな財産

学生時代、授業で使う教科書を読むことはもちろんですが、図書館にも足繁く通って本をたくさん読む癖がつきました。それが高じて今では年間1000冊ほどを飛ばし読みで触れるようにまでなるなど、読書の習慣は、私が学生時代に得た大きな財産だと感じています。やはり仕事や会社経営にまつわる本からは刺激を多くもらっていて、尊敬する経営者が書いた本はすべて読んでいます。また読書の習慣を社内でも広めたいと考え、読書推奨制度を作りました。社員ひとりにつき1ヶ月に1万円、本を購入するためのお金を支給しています。

MESSAGE 世界と対等に渡り合える社会人をめざしてほしいMESSAGE 世界と対等に渡り合える社会人をめざしてほしい

大学にはさまざまな考え方をもった人が多くいると思いますし、近年では留学生も増えているでしょう。4年間という限られた時間のなかで、たくさんの人と言葉を交わすことは、後の人生に大きなプラスになると思います。また当社では毎年、アジア各国から新卒者を採用していますが、彼らは日本の新卒者と比べても、学生時代に相当勉強してきているなという印象です。ですから商学部のみなさんには、大学4年間を無駄にせず、海外のメンバーとも対等に渡り合える社会人になることをめざしていただきたいと思います。

PROFILE

金子 英司さん

1997年商業学科卒。現株式会社レントラックス取締役会長。年間1,000冊以上を読破する読書家であり、また映画や海外ドラマなどについても造詣が深い。尊敬する経営者は孫正義と稲盛和夫。

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