大学生の皆さんは、本来であれば、通学や教室間の移動、サークル活動、友人とのおでかけなど、毎日さまざまなシーンで身体を動かす機会がありました。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大により、自宅にいる時間が大幅に増え、身体活動量は低下していると予想されます。身体活動量の低下は、単に筋力や持久力、消費エネルギー量を低下させるだけでなく、私達のメンタルヘルスの不調や免疫力低下にも繋がります。裏を返せば、適度な運動習慣を身に付けることで、これらを維持・増進させることができるということです。「新しい生活様式」を実践しながら健康を維持するためにも、授業の隙間時間にストレッチやトレーニングを取り入れてみてください。

緊張型頭痛とは、頭の周りや首の後ろから肩・背中にかけての筋肉が緊張するために起こる頭痛です。デスクワークや同一の姿勢を長時間続けたことなどが原因とされ、痛みは後頭部を中心に頭の両側や首筋にかけて起こります。「頭をバンドで締め付けられているよう」「頭に大きな荷重がかかっているような感じ」などと表現されます。

姿勢を正した状態のまま、息を吸いながら肩を上げ、吐きながら下げる。これを数回繰り返します。肩を下げるときに力を抜いて、脱力するように下げるとより効果を感じることができます。

座った状態から、首を前へゆっくりと倒していきます。首の後部から背中にかけて伸びるのを感じながら、補助として手を添え、目線も下向きに。ゆっくりと10数えるくらいを目安に行いましょう。

両手の親指で顎をゆっくりと持ち上げ、首の伸び、首後ろの収縮を感じます。伸びが実感できないときは、両手をクロスして鎖骨に乗せ、押さえながら行うのも良いでしょう。

首元に手を添えながら、首を真横に倒していきます。手を添えるのは伸びを助長させるため、また体全体を倒すのではなく首だけを真横に倒すことがポイントです。

肩周りから体全体を伸ばしていくストレッチ。両腕を肩幅より少し広めに開き、壁に手を置いたら床方向に体重をかけていきます。足も肩幅くらいに開くとより安定した姿勢を保てます。

本態性肩こりとは、検査をしても原因が特定できない、特別な基礎疾患が存在しない肩こりのこと。スマートフォンやパソコンの使用によって頭が下がり、頭部の重さを受け止めている首や肩に負担がかかることによっても引き起こされます。また、過労や運動不足、精神的緊張感、寒冷などによって生じることもあります。

腕を交差するように肩と耳を床につけ、顔と身体を前方へ。肩の後ろ側が引っ張られるような感覚を味わいながら、徐々に体重をかけていきます。このとき手のひらを必ず上に向けましょう。

手を添えながら頭を斜め前に倒し、反対側の手は背中で下方向へ伸ばします。首の後ろの筋を伸ばすイメージで、様子を見ながら徐々に力を入れていきます。

背中で両手を組み、腕と背中の間に空間ができるようにして、胸を張って手を引き上げます。肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せるイメージ。この姿勢のまま上体を前に倒すとさらに効果を感じることができます。

肩に手を添え、肘で大きく円を描くイメージで腕を回します。肩甲骨の動きを意識しながら、前回しと後ろ回しを行います。

タオルの両端を肩幅より少し広めに持ち、タオルを引っ張りながら上下に動かします。下げるときには、肩甲骨を引き寄せるイメージでゆっくりと行いましょう。

いわゆる腰痛症とは、原因がはっきりとしていない、漠然と腰が痛くなる症状のことを言います。立っている時よりも座っている時のほうが腰への負担は大きいため、長時間のデスクワークをする際には注意が必要。また、座った時に骨盤が歪んでいると体重の負荷が偏ってしまうため、正しい姿勢にも気を配りたいところです。

仰向けに寝た状態から、片方の足を両手で胸に引き寄せます。お尻が浮かないよう注意しながら、また無理に強く引きすぎないよう気をつけましょう。

股関節と太ももの筋肉が伸びるよう意識しながら。身体のバランスを崩さないよう気をつけましょう。また膝下にクッションなどを敷くと取り組みやすいです。

写真のように、組んだ足の間に片手を入れ、手を組む。お尻の筋肉の伸びを意識しながらそのまま引き寄せます。背中が痛くならないように、タオルなどを床に敷いてもいいでしょう。

前足を90度に曲げ、後ろ足は楽に伸ばしながら姿勢をキープ。前足側のお尻の筋肉が伸びることを意識します。上体を前に倒すとより効果的です。

仰向けの状態から片足を上げ、タオルを使ってゆっくりと手前に引っ張るイメージで。反対の足は曲げても伸ばしても大丈夫です。

通常、筋の収縮と弛緩による筋ポンプ作用と静脈の逆流防止弁の働きによって、血液は心臓へと送られています。しかし、同一姿勢を持続することで、血液循環が滞ります。これがむくみに繋がります。ストレッチをする、席を立ってすこし歩き回るなどの軽い運動で、血行不良を解消してあげることも大切です。

椅子に座った状態でも気軽に行えるストレッチ。膝を直角に曲げ、踵を上げ下げします。ふくらはぎの筋肉の動きを意識しながら行いましょう。

いわゆる「アキレス腱」運動。後ろ足を一直線に保ちながら、ふくらはぎの伸びを意識します。壁に手をついて行うと、後ろ足に体重がかかりやすくなります。

立てた膝に両手を添え、体重をかけます。つま先はまっすぐ前に、膝は少し外側に向けてバランスをとります。踵までしっかりと床につけ、しゃがんだ状態をキープ。

立った状態で足を前後に開き、後ろ足の膝をゆっくりと曲げながら体量をかけていきます。

壁を利用して足を高く上げリラックスした状態をキープ、足の血流を改善します。寝る前でも簡単に、気軽に行えるストレッチです。

習慣的な運動の実施は、体重の適正化や生活習慣病の予防にも繋がるといわれています。免疫力の向上も期待され、上気道感染症(いわゆる風邪)の罹患リスクの低減にも貢献。当然、体力や筋力などの維持・増進にも繋がります。その他、メンタルヘルス(抑うつ、不安やストレスの軽減など)や生活の質の改善にも寄与することが報告されており、心身ともに多くのポジティブな効果を得ることができます。やらされて行うのではなく、自ら前向きに、楽しく、実践することが大切です。無理のない範囲で、毎日こつこつと続けていきましょう。

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