昨今、本離れや活字離れが進んでいるとも言われています。
また、インターネットや電子書籍の普及で
紙の本に触れる機会も減っているかもしれません。
「本には古い情報しかない」
……確かに、出版当時は最新の情報であっても、
現在では過去のできごとです。
しかし、いつの時代にあっても
本は人類の知的活動の結晶です。
そこから知識や論理的な思考、
さらに感性を読み取ることができます。
学生の皆さんは、これから新しい「知」を作る
旅の出発点にいます。
本を通して世界中のさまざまな知識に出会い、
先人たちの軌跡をたどってほしい。
そのきっかけを作るために、
図書館が行っている取り組みをご紹介します。

大学図書館は学生の学修の場。その主人公の目線でこれからの図書館を創っていくため、学生協働による選書会を紀伊国屋書店新宿本店で実施。参加を希望した学生9名が選書。
2023年7月参加者募集
2023年10月4日 選書実施

本との出会いから読書へ、そして研究へとつながってほしい、また大学は自発的な学修や活動−自主創造−の場であることを知ってほしいという思いが込められ、この企画がスタートしました。参加した学生たちは、新宿随一の書店で、「いいな」と思った本をピックアップ。
選書の理由やおすすめのポイントなどを視覚的に表現したPOPを作成し、その本をどうディスプレイするのかを考え、図書館内で展示しました。自分自身が書店で出会った「セレンディピティ(=偶然がもたらす幸運)」から、図書館を利用する学生にとっての「セレンディピティ」へ、本を通したつながりを生み出していく企画となりました。

  • 認知心理学の視点から子どもたちの考えや行動の背後にある理由を解き明かしてくれる本です。私はボランティア活動を通じて子どもたちと関わっていますが、よく彼らの行動が理解できないことがあります。子どもたちの世界をより深く理解することで、行動が理解できない時にも、彼らの純粋な感情や行動の背景に気づき、対応できるようになると感じています。選書ツアーに参加した理由は、普段自分が手に取らないような本との新しい出会いを求めていたからです。実際に、さまざまなジャンルの本に触れることができ、視野が大きく広がり、多角的な思考を促す経験となりました。

  • 選書する前に考えていた軸は「大学生のためになる本」であったため、それとはかけ離れてしまうと思いましたが、この本に巡り合えた時に、魅力的な表紙で内容も私たちの興味に当てはまっていたので、思わず手に取ってしまいました。ひとり飲みの魅力を皆さんに知ってもらいたいと思ったので選書させていただきました。普段はマンガや雑誌を読むことがある程度でしたが、選書体験を行うことで、普段読まないジャンルの本と巡り合うことができました。今後の人生で何が役に立つかわからないので、沢山のことに興味を持つことができて良かったと思います。

  • 私自身もスポーツをしているため、駅伝で青山学院大学を優勝の常連校へと導いた原監督の思考に興味をそそられたため選書しました。もともと本が好きな方ではあったのですが、近ごろは本屋さんへ行くことはあまりないため、大きな紀伊国屋書店に行く機会が得られて、とても楽しい時間を過ごすことができました。これまでは小説を手に取ることが多かったのですが、今回の選書ツアーで自己啓発本をはじめ、さまざまなジャンルの本に興味を持つことができました。今後はこれまで触れてこなかった本にも注目して、積極的に手に取ってみたいと思いました。

商学部の専門分野にとどまらず、さまざまなジャンルの図書に触れる機会を作るため、図書館各所に図書館員が選書した図書等の展示コーナーを設置。時事問題などテーマを決めた選書や新着図書、貴重書やポスターコンペティション受賞作品も。

商学部図書館の蔵書は約48万冊。蔵書検索システム「OPAC」で検索することもできますが、蔵書に触れる機会として、本棚から出して「図書展示」を行っています。1階では、直近に発行された新書や文庫本などの入門書や時事問題などを、2階では学術書の新着本を定期的に入れ替えながら展示。また毎年、新学期には商学部専任教員の著作物を展示しています。教員の専門分野や最先端の研究成果に触れる機会であり、教員のひととなりにも触れてほしい企画です。このほか、商学部所蔵の貴重書や、社会で話題になっているトピックスに関連した図書を展示する活動も行っています。

「学生が本に触れる機会を作りたい」という学部長の発案によって、初めて開催。昨今、多様な形態の情報があふれる一方で、通学途中に立ち寄れる書店が少なくなり、学生が本に触れる機会が減ったことへの危機感がありました。当日は小説や漫画を含めた幅広いジャンルの本や雑誌のほか、レコードや古地図など多彩な商品が並び、学生・教職員のほかに近隣の方も集まり、露店の賑やかな雰囲気の中で、新刊本にはない愉しみに出会う機会となりました。

東京都古書組合に加盟する5古書店による古書即売会を商学部ガレリアで開催。
2023年11月13日~17日実施

「学生が本に触れる機会を作りたい」という学部長の発案によって、初めて開催。昨今、多様な形態の情報があふれる一方で、通学途中に立ち寄れる書店が少なくなり、学生が本に触れる機会が減ったことへの危機感がありました。当日は小説や漫画を含めた幅広いジャンルの本や雑誌のほか、レコードや古地図など多彩な商品が並び、学生・教職員のほかに近隣の方も集まり、露店の賑やかな雰囲気の中で、新刊本にはない愉しみに出会う機会となりました。

こうやって本屋へ来ると、思いがけない発見や出会いができる。偶然見つけた本に惹かれたり、手で触ってみて装丁や文字の形に気づいたり。とにかくどんな本でもいいから、まず手に取って、本を開いてみてください。それによって、新たな思考が開いたり、違う分野に興味を持ったりすることもあると思います。ぜひ本との出会いを楽しんでください。

本は、長く人類の知的活動を記録し、伝承する役割を担ってきました。著者の思考や情報を保存し、ひとりでも多くの人に伝達しようとする人類の営みの結果が本なのです。現在、インターネット上で検索できる「知」は、これまで蓄積されてきた文字や絵の情報が電子的に記録されたものであり、その知の源泉は本の中にあります。商学部図書館には専門分野とその関連分野の蔵書が充実しています。また、日本大学は人文・社会・自然・医の4領域すべての学部を擁する総合大学であり、それぞれが専門分野の蔵書を誇っています。総合大学だからこその充実した蔵書を、ぜひ学生生活の中で活用してください。

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