税理士とは、国が認めた税務の専門家のこと。「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」といった独占業務が定められており、それ以外にもコンサルティング・アドバイザリー業務、会計参与、記帳代行、行政や司法の支援などの仕事にも従事しています。税理士試験の科目ごとの平均合格率は10~15%と低水準。受験者8~10人に1人の割合でしか合格できないため、相当に難易度の高い国家試験だと言えるでしょう。
税理士試験は全11科目のうち、会計2科目と税法3科目に合格することが必要です。『大学在学中に1~2科目に合格し、残りの科目を1科目ずつ社会人になってから』というのが一般的な受験生の“道のり”です。ただし、働きながらの学修は思った以上に大変です。この試験は一定量の勉強をこなさなければならず、仕上げるのに相当時間が掛かります。今回のお二人のように、時間のある1年生のうちから、しっかりとゴールを見据えて大学生活を送ることが、税理士試験合格への最も有効な“道のり”となります。
商学部の学生向けに、資格取得に挑戦する15の講座を開講しています。各講座は充実した内容で、専門学校に通うことなく学内で十分に学べるのが特徴です(一部は学外の施設で受講)。しかも、専門学校より比較的安い費用で受講できます。将来の目標に向けて、積極的にチャレンジしましょう。
資格取得支援の一環として、合格した資格試験などにより、単位として認める科目が設けられています。対象となる資格は以下の通りです。
「資格等取得奨励金制度」は、商学部において定められた資格試験等に合格または一定の成績を達成した学生に対し、奨励金を給付する制度です。2012年度から始まり、2024年度で13年目を迎えます。年々、奨励金の給付額が増加しており、学生の資格取得への熱意がうかがえます。さらに、資格取得は就職活動においても有利に作用します。
私は何より、勉強の質より量を意識しました。とにかく時間を確保して、多くの問題に繰り返し向き合うこと。試験の直前には覚える理論や模試などのサイクル表を作り、大切な内容に触れ続けました。また毎日同じような生活をすることで、勉強を習慣化することも意識しましたし、昼ごはんのメニューは曜日で決めて何を食べるかを迷わないようにするなど、勉強時間の確保に努めました。
大学1・2年次では、できるだけ多くの単位を修得することを意識しました。
大学2年次の9月から「法人税法」の勉強を始め、順調に単位を修得してきました。これにより、3・4年は余裕ができるので、やり込めば差が出る「所得税法」と「相続税法」に取り組みました。また、令和5年度からの税理士試験の受験資格要件の見直しにより、受験しやすくなったことから、今から勉強を始めるなら、大学2年次の必修科目との調整を考慮しながら、余裕があれば「消費税法」も学ぶことを検討していたと思います。
はじめて学ぶ税法は、会計科目と違ってやりづらさを感じることが多くあると思うので、そこで勉強方法や税法の解き方を固めるのが大事だと感じています。そのため、最初に受験する税法科目を合格できるかどうかが在学中5科目合格達成の鍵だと思います。
少しでも時間を無駄にしないことを心がけました。歩きながら、あるいはアルバイト中に時間があるときなどは頭の中で暗記項目を反復。電車の中では絶対にテキストを開くようにもしていました。そのなかで特に気をつけていたことは、1歩目を大事にすることです。勉強も一人暮らしの家事も、私にとっては始める瞬間が最も辛いという自覚があったので、そこであえて踏み出すことを大事にしていました。
大学の履修計画も、税理士試験受験を見据えたものにしました。
学習スケジュールは必ず週単位で用意しましたが、記憶に残りやすくするため週のうちに3回同じ内容を学修することを意識しました。
学修は主に法学部、経済学部の図書館で行いましたが、商学部の授業がある日は商学部の図書館を利用していました。たまに公園や資格取得学校の自習室を利用するなど、勉強場所を変えることで気分転換をはかっていました。