VUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)の時代と言われるように、いま、過去からの延長線上では対応できない課題が社会に山積しています。新たに確立された技術や知恵や考え方でも、たったの10年でいとも簡単に陳腐化し、次の新しいものに取って代わられています。このような時代ですから、かつてのように大学で学んだ知識やスキルをもって、ビジネスの現場で生涯にわたって活躍することは不可能となってしまいました。そのため現在においては、大学教育の中身が改めて問われています。私たち商学部はこうした社会の要請に対応し、海図なき航海を続けなければならないのです。そこで私たちは「学生を、その生涯にわたって支援してゆく大学」をめざすべきだと考えました。
不安定な時代について前提として言及しましたが、それに対する処し方は「回り道」であると考えます。即座に役立つ情報に目を奪われるのではなく、深耕・沈思するきっかけをつかみ、つながり(ソーシャルキャピタル)の蓄積をしていってほしいと考えていますし、それに対して学部としても支援してゆくつもりです。すべての科目を通じて、共通して得られる能力は「問う力」です。「なぜ?」という問いかけは、先の見えない時代にこそふさわしい能力だと考えています。ビジネスというフィールドにおいて、状況は常に変化し続けています。さまざまな事象に対して疑問を持ち、自ら考え、深く探求する力は、皆さんを生涯にわたって助けてくれるでしょう。「問う力」と並んで、身に着けた教養、そして他者への共感力をもってキャリアを積みかさねてほしいとも考えています。特に、大学時代に経験した「つながりを形成する力」は、ビジネスの世界においては非常に有効です。人とつながり、あるいはグループを組織化するという力は、ひとりではなし得ない課題に対して大きな力を発揮するだろうと考えられます。
さまざまな事象に対して疑問を持ち、自ら考え、深く探求する力は、皆さんを生涯にわたって助けてくれるでしょう。「問う力」と並んで、身に着けた教養、そして他者への共感力をもってキャリアを積みかさねてほしいとも考えています。特に、大学時代に経験した「つながりを形成する力」は、ビジネスの世界においては非常に有効です。人とつながり、あるいはグループを組織化するという力は、ひとりではなし得ない課題に対して大きな力を発揮するだろうと考えられます。
通常では、卒業をもって大学が学生に提供できるサービスは終了します。故に、学生の皆さんが抱く満足は、入学時と在学中に限定されることになります。特に日本においては、入学できたことの満足感やステータスといった、「入学すること」の価値が極めて大きな割合を占めています。しかし商学部では今後、「入学」「在学」という価値に止まるのではなく、学生が卒業後も、最先端のビジネス状況などについて気軽に学べるコンテンツを多数用意することで、卒業生が生涯にわたる価値を創出する支援を行いたいと考えています。卒業生自身の価値創出において、大学との関係を卒業の時点で終わらせてしまうのではなく、社会に出てからも自らを継続して高めることができる学びの環境を提供し続けることで、商学部に対して強い信頼と大きな満足を感じていただける仕組みづくりに取り組んでいきます。長い期間において大学の価値を比較考慮していただきたく、今後も常に新しいチャレンジを続けていきたいと考えています。
長谷川 勉(はせがわ つとむ) 教授
平成6年3月大学院商学研究科博士後期過程単位取得満期退学。平成24年商学部教授。
専門は金融機関論。神奈川県出身、56歳。
このたび、学部次長を就任いたしました、吉原令子です。長谷川学部長と共に、学生の皆さんの声に耳を傾け、皆さんの希望や夢が実現できるよう、微力ながら努めてまいります。学生の皆さんには、「当たり前」と思われていることを疑い、自分自身がもっている「囚われ」や偏見を見つめ直し、「わたしらしさ」を探求していってもらいたいと思います。そして、学生の皆さんが「日本大学商学部での4年間は自己成長の場であった」と思ってもらえるような大学を教職員と共につくってまいります。
学務委員会は、学生の皆さんが大学で学ぶ環境や条件を整えるとともに、学修を支援する役割を担っています。学事日程の検討から時間割の編成、試験や単位の認定に関することなど多岐にわたっています。昨今の新型コロナの感染拡大は、大学の学修環境にも大きな影響を与えることになりました。このような状況のなかでも皆さんの学修環境を後退させることなく、より一層の充実と学修支援に力を入れていきたいと思います。
これまでの学生担当と変わらず、商学部生が安心して快適に過ごせるキャンパスライフを学生生活委員会に携わる教職員と全力で守ります。学生の皆さんには新型コロナウイルスの感染対策に最善の注意を払いながら、各種イベントを行い、大学生活を思う存分楽しんでもらいたいです。他人を否定せず、多様性を尊重し、みんながこのキャンパスで幸せになる権利がある、という商学部を学生と教職員とが力を合わせて作っていきたいです。
研究担当は、商学部における研究支援、研究促進体制の整備充実や、研究の高度化、その他学術研究において、商学部長を補佐する役割を担います。また、大学院商学研究科の運営全般に関わる企画・立案も行います。新体制においては、商学部長をしっかりと補佐し、大学院商学研究科および商学部における研究・教育環境のさらなる充実のために、精一杯努力する所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。
8月から企画広報委員長を務めることになりました。日本大学が置かれている状況は非常に厳しいながら、商学部の研究力とそれに裏打ちされた教育力は、他大学との競争において、十分に勝負できるものがあります。教職員の連携による企画広報を一層充実させ、本学の魅力を過去・現在・将来の学生に伝えるとともに、教職員にとっても長く身を置く価値のある学部となるよう環境整備を進めていきます。
「就職に強い」商学部といわれますが、卒業生一人ひとりの努力と就職指導課のスタッフのサポートの結果です。学生の皆さんには1年次から始まるキャリアガイダンスや多様な就職支援プログラムを積極的に活用してもらいたいです。また、奨励金制度のある様々な資格取得講座がありますので、「どんな資格があったらあなたの人生プランにプラスか」という情報発信を活発化させ、皆さんのサポートに就職指導委員会の教職員一同努めていきます。