2021年度から新たに
日本大学商学部へいらっしゃった3人の先生に、
専門領域やプライベートの過ごし方をお聞きしました。

先生の専門分野の概略と、
その魅力について教えてください。

経済学には個人や企業の行動を分析する「ミクロ経済学」と、経済全体の動きをとらえる「マクロ経済学」の2つのアプローチがありますが、私は後者が専門です。現在は、移民の拡大が受入国に与える影響について理論的・実証的に分析。複雑な経済事象を数式で表したり、数式で表されたモデルの妥当性を現実のデータを用いて検証できる点が魅力です。

研究の成果によって、社会や人々に
どのような恩恵があるかを教えてください。

「移民が職を奪う」といった話を聞くことがありますが、そういった言説が本当かどうかを見分けることができ、印象論ではなく学術成果を一つずつ積み重ねていくことで今後の政策に関する議論に経済学の観点から寄与することができます。未知の事柄を脅威と考えるのではなく、理論と実証の両面から考えていくことができるようになります。

日常生活において大切にしている考え方や価値観などがありましたら教えてください。

経済学は考え方を学ぶ学問であり、ものごとにはトレードオフがあることやサンクコストを考慮することなど、日常のよりよい意思決定に活かせる考え方がたくさんあります。商学部生のみなさんには、経済学の考え方をより多角的に知り、それを活かして自分の頭の中でさらに突き詰めて考える自主創造の力を育んで欲しいと思います。

趣味や休日の過ごし方などについて教えてください。

将棋や麻雀のプロの対局を観るのが好きです。私は観る専門ですが、解説者が一手一手にどのような意味があるのかを説明してくれるので、それを聞きながら対局の流れを楽しんでいます。人間とAIの対局では、人間がAIの予想を超える一手を指すこともあり、非常に興味深く観ています。

先生の専門分野の概略と、その魅力について教えてください。

専門は証券市場論です。証券市場には、金融機関、家計、企業、政府など多様なプレーヤーが登場し、各々が必要な経済活動を行っています。近年、証券市場はバブルや金融危機とともに論じられがちですが、証券市場が存在しなければ現代の経済社会は成立しません。証券市場論は、社会に必須の証券市場を理論的・実務的に研究する点で魅力的です。

研究の成果によって、社会や人々にどのような恩恵があるかを教えてください。

研究において飛躍的な成果が誕生することは稀で、多くは先人達の知恵の蓄積を紙一重で越えていく作業だと思います。私の研究がいつか世の中に貢献できるよう願ってはいますが、まずは現実の証券市場で起きていることを整理・分析した論文や著書を数多く発表し、学問的にも実務的側面でも議論を投げ掛け続けたいと思います。

ご自身の人生に影響を与えた人や出来事、
言葉などがありましたら教えてください。

特定の経験や人物に強く影響を受けたことはないと思います。これまで、研究、ビジネス、学生生活などを通じてたくさんの経験をしてきました。また、たくさんの国や地域へ旅し、価値観や文化の違う人たちと語り合ってきました。その結果として現在の自分が形成されています。そして今後も、臨機応変に変化していくのだと思っています。

趣味や休日の過ごし方などについて教えてください。

アウトドアスポーツ、例えばスキューバダイビングやサーフィンを楽しむことが多いです。以前は和歌山の大学で教育・研究をしていましたので、和歌山の海を楽しんでいました。沖縄もよく行きます。今は海外へ行くことは難しいですが、タイのタオ島にはダイビングをしに10年も通っています。海外の海は日本の海とはまた違う良さがありますし、場所によっては料金的にお得だったりするんですよ。

先生の専門分野の概略と、
その魅力について教えてください。

企業がどのようなマネジメントを行えば、新製品・新事業開発のようなイノベーションを実現できるかについて研究しています。実際のビジネス界においても最も関心が寄せられる分野の一つであります。経営学のアカデミックなツールを用いて、実際の企業の行動や成果を解明しようとするところに魅力があると考えます。

研究の成果によって、社会や人々に
どのような恩恵があるかを教えてください。

イノベーションを実現できるマネジメントの発見・導出は、停滞している多くの企業に新たな成長戦略のヒントを与え、新製品・新事業開発を通じて社会に新たな価値を提供することになります。つまり、多くの企業がイノベーションの実現に取り組むことによって我々の生活の利便性はより高まると言えます。

日常生活において大切にしている考え方や価値観などがありましたら教えてください。

儒教の「愼獨(しんどく)」という言葉を心掛けています。自分ひとりだけで他人の目がない時でも、身を慎むという意味です。私のように海外で生活している者としては、より守るべき徳目だと思います。少し拡大解釈して、その中でもよく実践しているのは、本人不在のところで、その人の悪口を言わないことです。

趣味や休日の過ごし方などについて教えてください。

近頃はなかなかできないので少しストレスがたまりがちですが、親しくしている方々とお酒を飲みに行くことが好きです。お酒を飲みながらですとリラックスできますし、本音で語り合えるような気がします。日本に来てからは日本酒が好きになりましたので、日本酒の種類を多く取り揃えているお店に行くことが多いですね。

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